2013年9月9日月曜日

自己陶酔

遠慮のない雨が降りしきるなかAクラスのフリー走行が始まった。
当然フルウェットの路面であるが常連のAクラスメンバーは皆何事もないように走り出す。
しかし決して無理する事はなく淡々と周回を重ねて行っているようにも見える。
一見速そうに見えない走り、それでいて無駄がないので実はかなり速いという転ばず速くのお手本のような走りだった。

あっという間に走行時間が過ぎBクラスへと移行していく。
このクラスには先輩のI山さんがいる。
よく見ていると2スト250のアドバンテージを最大限に利用してぬれた路面をものともせずにいい音を出して走っていた。
同時に雨の勢いが弱まっている事に気づく。

Cクラスの走行時間になると次はいよいよ自分の番ということで慌ただしく装備を整えたりツナギを着たりしてほとんど見学できなかった。
完全に舞い上がっている感覚であるが、雨脚はどんどん弱まっていき遂にはシールドに落ちてくる雨粒は無くなっていた。
Cクラス残り数分となるところでバイクをピットロードの端に並べ次の走行枠の一番最初にコースインできるように準備する。
と同時に鼓動も高鳴っていく。

いよいよ自分の走行枠がやってくる。
走り出す際に元祖梨塾ガールというべきM女史にゲキを入れられる。転ぶなと。

コースに入ってみるとなぜか2006年の梨耐の続きを走っているような不思議な感覚をおぼえた。所々風景に違和感を感じつつも走りなれた道を進んでいるような。
まだ完全に路面が乾いている訳でもないので慎重に直線だけ開けてコーナーはゆっくり・・・のつもりで走っていたがイカさんからペースダウンの指示をいただく。

調子に乗るな

はい、了解しました。
しかし頭ではわかっていてもお調子者体質の自分は己を押さえる事ができず一度膝が擦れだしたら

あ、オレってまだまだできるじゃん!

という感情に支配され、また皆さんのマナーが良いので強引なことも全くなく気持ちよく走行枠を走る事ができたのだった。

二度目のフリー走行から路面はフルドライとなりあいもかわらないトミンウェザーの健在っぷりを目の当たりにした。
そしてAクラスの異常なスピードもまた目を奪っていった。
決して速そうに見えず、コース上のすべてを水が流れるようにつなげていってタイムが出てきているような感覚。
間違いなく走り手のレベルアップを感じたのだった。

二度目のフリー走行では上半身の力を抜く事に集中した結果かなり太ももとくるぶしでバイクをコントロールすることを思い出してきた。

そして短いランチブレイクを経てタイムアタック。
Dクラスではラップを出そうとクリアラップを探すものの見つける事ができず、焦ってレギュレーション違反を起こす始末。

それでも結果はBクラス最後尾までジャンプアップに成功。
これでヨシ○ズとI山さんとのバトルができたら・・・いいな・・・。

都合のいい皮算用をしながら決勝レースを待っていたんだ。
しかしながら思惑とは全く違う方向で、しかもよりスリリングな展開になるなどとはこのとき全く思いもしなかった、

つづく

0 件のコメント:

コメントを投稿